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Tegalog

日々のつぶやき、短文、落書きなど

No.111

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独りで立つお姫様から正義のヒーローへ
昔は王子様を選ばないお姫様ばかり書いていた。いや、どちらかというと「選ばれなかった王子様」を書いていたのだろうか?多分両方だ。
王子様はお姫様にかかった呪いを必死で解こうとする、その必死さが逆に新たな呪いなのだが、お姫様は知ってか知らずか呪いにはかからず王子様を置いて新しい扉を開いて出てゆく。
王子様はただその場に泣き崩れる。おわり。みたいな。
教訓めいたものはあるのかもしれないがよくわからない。私のヘキといえばそれまでだ。
そして今、正義のヒーローを書いている。
まあ媒体は割愛する。すごい量だし。
私は正義のヒーローを信じている。サンタクロースはいないがヒーローは多分いる。まだ助けてもらったことはないが。
9歳の時、屋上のヒーローショーで某戦隊モノのレッドに握手してもらったことがある。
その合皮の白い手袋の右手は9歳児にはあまりにも逞しく固く力強かった。
私は一瞬で恋に落ちた、ではなく「私は大人になったらヒーローになる!」と決意した。
しかし私の身体は抱いた夢とは逆に逞しい男になることはなかった。
絶望から生まれるのは反逆であった。
だから私のお姫様は強く、王子様は弱かった。
しかし今、もう一度フィクションの中でヒーローを理解しようとしている。
なれないなら作らない、ではなく、拗ねてないで戦ってみようと思う。
私は私の拳で戦えるだろうか?
正直、不安でいっぱいだ。
これを打っている今も手が震えている。
ヒーローを書くより悪の組織の方が何倍も楽だ。私の世界は悪意がいつも身近にあったから。それをなぞればいい。
だが善は?あまりにも遠く、いつも関係のない場所で輝いていた。
だから私の書くヒーローは希望だ。
ずっと待ち続けた、今も待ち続ける憧れだ。
この前誕生日が来た。こんなに歳をとった私はあの9歳の私に応えることができるだろうか?畳む

日記